台風の爪痕と…
お客様で被害があったところに駆けつけたけども、ウチの地域は「去年よりひどくはない…かな」という印象があった。
「マスコミが騒ぎすぎ」というのは毎度の事なのだけども…
…果たしてどうなのか…
お嫁ちゃんの地元は停電をしているという。
朝イチに「平気?」と心配の連絡が向こうからきた。
「コッチは大丈夫だよー」「こっちは停電」と言っていて。
SNSを見ていると「ある意味震災時以上かも」というお嫁ちゃんの地元の方らしき情報があった。「まーた…」と思っていたのだけども、お嫁ちゃんに聞けば、この地域は地震は頻繁だったけども計画停電も無かったし、生活は割と普通だったという話。
…夕刻になり…
連絡がつかず「心配になってきた」というお嫁ちゃん。
私は「勝手にやってるかもよー」と。なんにしろお嫁ちゃんの実家は、兄弟がまだ実家にいるので他よりも男手があるのでなんとかなるだろう。
しかも古くからの農家さん。食料はあるだろうし、かまどもあるという話。火だって炊ける場所もある。必要なのは水か?
それにしてもお嫁ちゃんの地元の友達ですら連絡がつかない。
SNSで調べても極端にヒットしない。
「基地局がダウンしているのだろう」「するの?」「だって電気でしょ」「でも朝イチで連絡がきたのは?」「UPS電源か何かかな」
行政が動いてるのはHPを観てもわからない。
電源がきてなきゃサイトも動かせないもんね。
東電の停電リスト落ち。
たぶん世帯数把握していないだけだろうけども、SNSではソレを噛みつく投稿が並ぶ。
そりゃそうか。イマドキは情報も紙媒体ではなく電気だもんなぁ。
なにごとも電気が無きゃはじまらない。
お嫁ちゃんが「実家の様子が知りたい」という。
朝イチに連絡がとれて、今取れない理由がわからないからと…
道路事情を見ると高速は穴川付近から下には行けない様子。
イマドキの高速は電気仕掛けだもんね。
一般道もあちこち混んでいる。血の色のとこもある。
でも、ぐーぐるさんは…やっぱり最近信用度が落ちているようで、高速が使えると指示している。
「やじうま渋滞になるから避けようか」という相談をしたのだが…時間を置いて「遅い時間ならば」ということで、多少の物資を届ける事にし、家で作戦会議。
お嫁ちゃんの地元のお友達とかろうじて連絡がついたが、やはり電気ダメ、水ダメ、電話もダメだという。ネットはスマホで一部のSNSがどうゆうわけか繋がる事もあるらしい。
娘チャンがいるけど…どうしたもんかといっていたら、ちょうどミルクタイムで飲ませると「ウトウト」とし始め…これならスヤスヤ寝てくれるか、いいタイミング。
とりあえず、釣りに使ってる充電器と…スマホのモバイルバッテリーと、バッテリー投光器。釣りグッズを用意。
あとは…食料品?
電気がきてないというと…水も駄目か。井戸もポンプだろうし、水道も止まってるという情報。近くのスーパーで飲料水を…とおもったら、ない?!
まさかね…と思いつつ、ちょっと高いアルカリイオン水なるものを半ダース購入。
お嫁ちゃんから「ガソリンも持って行ってあげたい」と言われたが、それはダメと私。
確かに持って行けば役に立つのは間違いないけども…でも、夜とはいえこの暑さ。例え携行缶に入れても危ないモノは危ないし、臭いがね。娘チャンもいるし。
あとは食料品か。
日持ちするようなパン等と、カップラーメン。
「お湯沸かせないよ?」というが、いやいやガスはプロパンでしょ。それじゃなければ薪をくべてヤカンでお湯を沸かせばヨロシ。
適当に購入し…
16号で南下。道はガラガラだったのでホッと。
渋滞とかの原因になるわけにはいかないからね。
でも、南下すればするほど、ほんの少し見慣れた地域に行くだけで被害が増えていくことに気が付いた。
16号沿いの名物中古車屋さんが並んでいる地域でも、真っ暗の中、看板が車の上に落下していたのを何軒がみつけた。
「千葉市内は平気だろう」都会のイメージで。電気も早く復旧するのだろうと思っていたのだけども、まる1日が経とうとしている時間でも真っ暗だった。
途中、路肩の歩道が崩れている場では、警備員が配置され…
気が付けば…主要な交差点には発電機が置かれ、そこでおまわりさんも配置されているが、心なしかうずくまって座っているようにみえる。
おまわりさん、本当にご苦労様。
湾岸沿いの停電の地域はまばらで、蘇〇あたりから山の方に向かう幹線道路である茂〇街道は、〇我を曲がったあたりからほぼ真っ暗だった。
そのあたりでお巡りさんが居たのは、曲がった最初の数本の信号で、あとは山に向かうにつれて信号は機能していない。
「停電しているだけ」「電気なんて昔は…」と思いがちなのだが、今や電気は無くてはならないもので。
お嫁ちゃんもイマドキの子か「連絡が取れない」というだけで不安に感じている。
私は「平気でしょ」というのだが、イマドキの若い子達の絆というのはこうゆうアイテムでつながっている以上、不安になるのも致し方ないか。
「蛇口をひねれば水が出る」「コンセントにつなぐだけ」「スマホで連絡がとれる」当たり前のようなものだけども、それがどれだけ幸せなことか。
今更書くことではないが、今や電気はかかせないもので「昔は…」なんて言葉は当てはまらないもんなぁ。
時間的に「車通りが少ない」のは、ノコノコと冷やかしのように来てしまった(そうゆう気はないが)罪悪感を少なくさせる。
トイレに寄りたく…灯りがついていたコンビニに入ると、唖然とした。
食料品、飲料品が全てない。
冷蔵庫はビールが少しで、ジュースは完売。
「あ…そうゆうことか」
トイレをお借りし、…トイレ内も惨状だった。
「…おいおい」
トイレをお借りしたお礼にコーヒーでも買おうとしたら、ホットコーナーに少し置いてあるだけ。
前のお客さんが「飲み物はおいてないんですか?」と店員に尋ねると「アイスコーヒーとかならご提供できます」と。
店主一人でご対応だしお手を煩わせるのも何なので、お店から出ると、老夫婦。もう時間的にも遅いのに、店内を覗くと「ここも…ないか」と。
そんな感じのお客さんが多くいた。
多くの人は何かしらの物資を探し、さまよっているようだった。
なるほど、千葉北あたりのコンビニが混雑していたのは そうゆうことか。
コンビニだって看板は同じでも、そもそも個人商店。たまたま電気がきているので渋々開けているだけだろう。対応に疲れている様相の店主。ニーズにあう物がないからと不平不満を言うのは筋違いだと思うのだが…そうゆう輩も多いのかもしれない。
「皆、勝手な事言っているなぁ」と心の中で思った。
それだけ大変なのかどうなのか…
でも…コンビニの灯りが心のより所になる人も多いのかもしれないなと…
なるほど…わかったような気がする。
途中の停電のコンビニで、「電気がもうすぐ来るだろうからスタンバイ」をしているわけではなく、あくまでも「見張り」目的なのだろう。
電気が来なければ、不在のコンビニだって警備も出来ない。その前に電話が使えないのだから、なにかあっても警察にだって連絡できない。
自分の身は自分で守ると、停電した街道沿いの店主は皆寝ずの見張り番。
よくみると、スタンドにも中に車が停まってる。
「そうゆうことか…おつかれさま」
あちこちで、看板や仮囲い等が倒れてる。
大型のアルミ門扉も…あれはツメが付いているタイプだろうけども…
倒木もあったろう。道路わきに切断された樹木が置いてある。
こうして道を走れるけど…被害甚大だったんだろうなぁ…
真っ暗な山を越え、しばらくいくと、街の中心部の一部は電気が来ていて。
どうゆう具合なのだろうか。「病院の近くだから電気が」とか「役所の近くだから」とか根も葉もない事を言う人がいるが、何かしらの電線の幹線の都合なのだろう。
ココスには電気がついていても、向かいのガストはダメとか…深夜まで空いている薬局はやってた…そうゆう具合だった。
灯りがついているコンビニの駐車場は、車中泊をしているであろう車が多かった。
そりゃここに車を停めてエンジンをかけてエアコンをいれておけば涼しいし、家より快適かもね…それがどうなのかどうなのか…判別は…私が決める事ではなく。
それを通り過ぎると…やっぱり真っ暗。
周囲には車も殆どいない。
消えている信号に注意をしながら行き… お嫁ちゃんの実家に到着。
寝ていた弟を叩き起こし…w
食べ盛りの弟たちの為に、少しだけどおかず買ってきたぜ!
聞けばガスはプロパン、ごはんはガスだから大丈夫。
お水は「停まる」と言われていたがどうゆうわけか出ていたそう。明日はわからないと役所から言われたとの話。他は…小さな発電機が廻っていたのである程度は大丈夫だという。まぁ農家さんだから野菜はそこいらにあるだろうし…安心安心。
ほっ。
「どこまで電気ついてたー?」と尋ねられ
「市街あたり…でも一部かなぁ」と。
復旧まで2~3日かかるのは覚悟しているようだった。
「情報が欲しいだろう」とはいうが…欲しい情報なんてそんなもんかもしれない。
割とノンビリ過ごしていたお嫁ちゃんの実家の様子。
「じゃカエロ」
時間は24時を過ぎているし。
「この先…もっと被害が大きいそうだよ」と。
山を越えれば…海沿いで。実際に電柱等がぶったおれているそうだ。
物資などはどうなってるのだろうかと思うのだが…
帰りは、道路はガラガラで…消えている信号の交差点に気を付け…
蘇我迄戻れば高速が使えたので、高速に乗って帰ってきたのが2時過ぎ。
今朝になり、圏央道は復旧した様子。
思いのほか早い作業だなぁと 東電や高速道路関係者に感謝。
おまわりさんも総出だろう、発電機で信号を動かしているのにも感謝で…
消防もそうだし…自治体の人々も…みんなみんな感謝で。
街道沿いも…倒木があったろう場所で、道路わきに片づけてくれた一般の方々がいらっしゃるわけで…頑張ってくれている。
ワタシャなにもできないけども…本当に皆さまに感謝です。
お疲れ様です。
まだまだかかるでしょうけども…どうかご安全に。